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自助論~新訳完全版~第九章

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内容紹介

天は自ら助くる者を助く


本オーディオブックは、1858年にイギリスで上梓された『自助論』の改訂版を現代語にて全文を完全新訳し、朗読したものである。

人は成功を命ずることはできない。努力してこそ、成功を手にすることができるのだ

前書は、アメリカで出版されたのを始め、イギリス国内はもちろん世界各国にて翻訳され、今尚、読み継がれるロングセラー書。
日本国内では、中村正直が翻訳『西国立志編』として刊行。明治の終わりまでに100万部以上の売上をあげた。

本オーディオブックは、全十三章からなる「自助論」の第九章

本書の主旨は、みなさんが正しい目的に向かって力いっぱい努力すること―、苦労や苦しみ、屈辱から逃れることも、他者からの支援や保護に頼りきることもなく、自分自身で活路を切り開けるように導くことだ。自分自身を助けることは、突き詰めて考えれば、周囲の人を助けることにつながる。
本書で取り上げたさまざまな実例――文学者や科学者、芸術家、発明家、教育家、慈善家、宣教師、殉教者たちの生き様―を見れば、それが分かるはずである。

優れた人物が、自らの理想を追求するなかで失敗することはもちろんある。しかし、失敗しようと思って失敗したわけでもなければ、失敗してよかったと考えているわけでもない。よからぬことを追求して成功するのは恥ずべきことだが、理想を追求して失敗するのは名誉なことである。
しかし、理想を追求して成功するほうがそれよりもっといい。

どんな場合でも一番大事なのは結果ではなく、その目的であり、価値ある目的の実現に向けて注ぐ努力と忍耐、勇気、不屈の闘志である。

内容項目

第9章 実務家たち ――MEN OF BUSINESS

●実務に対する誤解
●回り道が成功の秘訣
●人間を人間たらしめるもの
●ビジネスで求められる資質
●時は金なり
●さらに上をいくビジネスマンになるために
●高潔なる最高の実務家ウェリントン
●志高き実務家たち


~本文より抜粋~

「熱心に働く者を見よ。その者は王の前に立つだろう」
―――『旧約聖書』ソロモンの箴言より

「実務能力を身につけない者は、世のなかで低い地位しか占められない」
―――オーウェン・フェルサム(イギリスの作家)

文芸評論家のハズリットはあるエッセイのなかで、ビジネスマンを商売や仕事に縛り付けられて手押し車に乗せられたみじめな人間に例えた。
「ビジネスマンがすることと言えば、ただひたすら決められたコースを外れないように進むことだけだ」と切り捨て、さらにこう続けている。
「ビジネスで成功するためには、想像力はいらない。ただ慣習に沿って行動し、損得勘定以外は何も考えない狭い思考力だけがあればいい」
これほど一方的で誤った定義もないだろう。もちろん、ビジネスの世界にも考えの狭い人間がいることは確かだが、それは科学の世界でも文学の世界でも政治の世界でも同じだ。
度量がありスケールの大きな仕事ができるビジネスマンも、数え上げればいくらでもいる。

何であれ重要な仕事で成功するために必要な資質は、その仕事に対する適性に加えて、危機に際しての迅速な行動、大勢の人間を統括する能力、人心を掌握する力、たゆまぬ自己修練、そして実務での豊富な経験である。ビジネスの世界も、どこかの随筆家が考えるような狭小な世界ではない。
歴史家のヘルプスは、はるかに真実に近いことを言っている。「ビジネスの世界で優れた者は偉大な詩人と同じくらい数は少なく、尊敬すべき聖人や殉教者よりも少ない」と。
「実務は人を作る」とよく言われるが、そんなことが言われる仕事はほかにはないだろう。

昔から偉大な人物たちは高い目標を追求しながらも、その傍らで生計を立てるための実業を営むことを恥だとは考えなかった。
古代ギリシャ7賢人の第一に挙げられるタレスも、アテネ再興の祖ソロンも、数学者のヒュペラテスもみな商人だった。
また、その優れた英知によって「神」とまで称されたプラトンは、エジプト旅行の道中、油を売って旅費を工面した。
哲学者のスピノザは哲学の研究をする傍ら、レンズ磨きをして生計を得ていたし、大植物学者のリンネは研究をする合間に革をなめしたり靴を作ったりしていた。

今の時代でも、日常的な実務を見事にこなしながら、高度な知的活動も続ける例は枚挙にいとまがない。
ギリシャの歴史の研究家グロートはロンドンで銀行家をしていたし、現代における偉大な思想家のひとり、ジョン・スチュアート・ミルが東インド会社の検査部から退職したのは、それほど昔のことではない。
彼は同僚から慕われ尊敬されていたが、それは哲学者としての高い見識のためではなく、職場での効率的で有能な働きぶりが認められたからであった。


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