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笑う唖女

笑う唖女

著者:夢野久作

朗読:楠木華子

再生時間:1時間3分58秒

提供:パンローリング

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内容紹介

「キキキ……ケエケエケエ……キキキキッ」

形容のできない奇妙な声が突然聞こえてきた。甘川家の座敷中が静まりかえる。
ここは、十畳と十二畳続きの広間で紋付袴の大勢の人々が酒を飲んでいた。そこには、新郎の当主であり、青年医師の甘川澄夫に新婦の初枝。
婚礼ということもあって、村役場員、駐在所員、区長、消防頭、青年会長、同幹事など多くの人が居合わせた。

今一度、奇妙な叫び声が聞こえたので玄関を訪れると妊娠した女がいた。
全体的に赤黒く焼けたきめ細かい肌。切れ目の長い目尻。赤い唇と白い歯を光らして無邪気に笑っている格好は、グロテスクこの上ない。
台所から出てきたこの家の下男が、赤飯の握り飯を一個与えて、追い払おうとするが払い落とされる。
そして、大きく膨張した自分の下腹部を指で刺しながら頭を左右に振った。再度、奇妙な声をあげる始末。

この女は裏山の跛爺・門八の娘で空き土蔵に住んでいた。しかし、去年の秋口に女が行方不明になったのをきっかけに、門八は首をくくって亡くなった。
そして、女一人で裏山から降りてきたのだ。女は澄夫の袴腰に抱きつくと離れようとしなくなった。
なんとか女を引き剥がし、モルヒネを打って納屋へと連れて行った。実は、澄夫はこの女のことを知っていたのだ。

それは、去年の八月のこと。純潔を守っていた澄夫は欲を抑えられなくなり、裏山で出会った女を犯していた。
女の腹の中にいる子はおそらく澄夫の子供。人騒動あった初夜。寝床について過去の過ちに苛まれる澄夫は、初枝が寝ていることを確認。
女が納屋の中にいるこのチャンスを逃せぬように、皆が寝静まった真夜中に納屋へと向かった。

著者情報

夢野久作(ゆめの・きゅうさく)

日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。


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