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知っておきたい 日本の漢詩 第七回 やがて かなしき――狂詩の世界

知っておきたい 日本の漢詩 第七回 やがて かなしき――狂詩の世界

著者:宇野直人

再生時間:51分59秒

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内容紹介

漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。

時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です。


このシリーズは日本の漢詩について、さまざまの立場で歴史の舞台に登場した人々にスポットをあて、その作品と人生を解説する、という方式で進めてまいります。

日本人の伝統詩歌としては、漢詩・短歌・俳句があげられるでしょう。この三形式のなかでは、親しまれた期間の長さにおいても、創作の歴史の長さにおいても、漢詩が抜きんでています。何しろ日本人は既に飛鳥時代、つまり七世紀後半ごろから、漢詩を「読む」だけではなく、「自分で作る」という段階に入っていました。以来、今日まで千三百年以上にわたり、漢詩は日本人の心を表す形式として親しまれているのです。

漢詩に表れた日本人の心、その特質は何かと言えば、それは「公と正義の感覚」ということになります。花鳥風月や、男女の心の機微は、漢詩では最も重要な関心事にはなりません。そうではなく、社会がどうあるべきか、それを目指す中で個人はどうふるまうべきかを模索し、その考察の結果やそれに伴うさまざまの感慨を表現する、それが漢詩の本道です。

このシリーズによって、そのような漢詩の魅力と奥深さを少しでもお伝えすることができれば幸いです。

第七回 やがて かなしき――狂詩の世界
江戸時代の中ごろから町人文化が興隆すると、町人層の好みが文学の領域に流れこみ、雑俳・川柳・狂歌・洒落本(しゃれぼん)などの滑稽文学が盛んになりました。この風潮は漢詩にも及び、とぼけ・おかしみの要素を備えた「狂詩」が流行することになります。
狂詩は漢詩の一種の発展形で、俗な言い回しを使ったり、和語の漢字表記を交えたりしながら、身近なことがらを面白く表現しています。ここではまず‟東の寝惚(ねぼけ)、西の銅脈”と言われた寝惚先生(大田南畝=おおたなんぽ)と銅脈先生(畠中観斎=はたなかかんさい)の作品を見、つづいて「節倹」「質実」を旨とする寛政の改革後、いくぶん真面目な詠みぶりになった狂詩の例として、方外道人の『江戸名物詩』のなかから二首を見ます。それらは江戸の老舗(しにせ)や有名店を狂詩の形で詠んだもので、詩による名店案内、という趣になっているのです。

収録作品

貧鈍行

深川詞

述懐

河東夜行

翁屋煮染

長命寺桜餅

シリーズ一覧

知っておきたい 日本の漢詩 第一回 儒臣の本懐――菅原道真
知っておきたい 日本の漢詩 第二回 五山の詩魂――富士山を詠む
知っておきたい 日本の漢詩 第三回 風狂の彼方に――一休宗純
知っておきたい 日本の漢詩 第四回 博学無比の人――林羅山
知っておきたい 日本の漢詩 第五回 儒教再審――荻生徂徠
知っておきたい 日本の漢詩 第六回 和漢交響――与謝蕪村
知っておきたい 日本の漢詩 第七回 やがて かなしき――狂詩の世界
知っておきたい 日本の漢詩 第八回 涙の手まり唄――良寛
知っておきたい 日本の漢詩 第九回 燃ゆる心を――頼山陽
知っておきたい 日本の漢詩 第十回 この道ひとすじに――広瀬淡窓
知っておきたい 日本の漢詩 第十一回 士族の誇り――西郷隆盛
知っておきたい 日本の漢詩 第十二回 安らぎを求めて――夏目漱石


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・録音音声の中には、今日においては不適切と思われる表現がありますが、音源または原文の歴史的価値を尊重し、改変を加えずそのままとしました。
・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。