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実説 城谷怪談 撰集三十三

実説 城谷怪談 撰集三十三

著者:城谷歩

朗読:城谷歩

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実説 城谷怪談

老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。

内容紹介

「茜色」(26分)
当時中学生だった篠山さんが住んでいた街には「茜ちゃん」と呼ばれる知的障害を持つ女性がいた。
ある放課後、篠山さんが麦畑の真ん中を伸びる、学校から家までの通学路を一人で歩いていると、急に風が凪ぎ、麦畑の一カ所の上空を沢山のカラスが旋回しているのに気がつく。
ザワザワと嫌な予感を感じた時、すぐ近くから茜ちゃんがこちらを見上げているのに気が付いた…。

「ジンクス」(22分)
体験者の女性は酒に酔いながら、自分には昔からジンクスがあると言う。
始まりは小学校での授業中、その“黒い人”が現れたのだと。“黒い人”は目も鼻も口もなく、黒板横の本棚に腰をかけ足を揺らしていた。気味が悪いと思った時、黒い人の首から先がグリンと360度回転したのだ。
その後もたびたび“黒い人”が現れ、首が回ると決まって彼女に不幸が訪れるという。

「下水溝」(20分)
羽田さんが子供の頃、近所の公園にはたくさんの野良猫がいた。
衛生上の問題などから大掛かりな駆除が行われ、ある時期からすっかり野良猫が居なくなってしまったそうだ。
とある日の夕方、羽田さんは一匹のブチ猫が草むらから姿を現すのを目撃し、まるで導かれるように後をついていくと、思いもよらぬ歓迎が羽田さんを待ち受けていた。

「叫ぶ」(29分)
城谷が中学三年生のとある秋の日。朝からの土砂降りの雨は、夜になっても激しさを増していた。
二階の自室で受験勉強にいそしんでいた夜中、激しい雨の音をつんざくような衝撃音と続いて引き裂かれるようなかん高い断末魔の叫び声を聞いた。
しかし、緊急自動車が来る気配もなく、疲れから来る幻聴かもしれないと寝てしまったのだが。

著者情報

城谷 歩(しろたに わたる)

1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年~2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
https://www.shirotaniwatarunosekai.com/


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・録音音声の中には、今日においては不適切と思われる表現がありますが、音源または原文の歴史的価値を尊重し、改変を加えずそのままとしました。
・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。