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狐憑

狐憑

著者:中島敦

再生時間:21分56秒

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内容紹介

ネウリ部落のシャクに憑きものがしたという評判である。色々なものがこの男にのり移るのだそうだ。鷹だの狼だの獺だのの霊が哀れなシャクにのり移って、不思議な言葉を吐かせるということである。 後に希臘人がスキュテイア人と呼んだ未開の人種の中でも、この種族は特に一風変っている。彼等は湖上に家を建てて住む。野獣の襲撃を避けるためである。数千本の丸太を湖の浅い部分に打込んで、その上に板を渡し、そこに彼等の家々は立っている。 床のところどころに作られた落し戸を開け、籠を吊して彼等は湖の魚を捕る。独木舟を操り、水狸や獺を捕える。麻布の製法を知っていて、獣皮と共にこれを身にまとう。馬肉、羊肉、木苺、菱の実等を喰い、馬乳や馬乳酒を嗜む。牝馬の腹に獣骨の管を挿入れ、奴隷にこれを吹かせて乳を垂下らせる古来の奇法が伝えられている。 ネウリ部落のシャクは、こうした湖上民の最も平凡な一人であった。 シャクが変になり始めたのは、去年の春、弟のデックが死んで以来のことである。その時は、北方から剽悍な遊牧民ウグリ族の一隊が、馬上に偃月刀を振りかざして疾風のごとくにこの部落を襲うて来た……


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・録音音声の中には、今日においては不適切と思われる表現がありますが、音源または原文の歴史的価値を尊重し、改変を加えずそのままとしました。
・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。