ほたる放生 朗読:楠木華子 再生時間:1時間19分6秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
お秋は村次とは腐れ縁だった。十八の頃に出会ってからはや九年、仕事がものになれば、お秋を苦界の商売から足を洗わせてやる……何度もそう言われ続け、お秋は彼との縁を切れずにいた。その一方で船宿の船頭である藤吉には強く思いを寄せられ、一緒になろうと迫られていたが、村次のこともあり、お秋は断り続けていた。ある日、店にはおせんという十七の娘がやって来た。借金を抜いて一人が店を出ることになった代わりだった。お秋は世話をしてやり、おせんを気に掛けるが、一方のおせんはなかなかお秋に懐こうとしなかった。
そしてある日、村次が「商売がうまく行かなかった」と、お秋に鞍替えの話を持って来た時、女主人はお秋に対して、おせんの身の上を話すのだった。それはお秋が思ってもみない残酷な真実だった……