幽霊 朗読:楠木華子 再生時間:46分37秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
「辻堂の奴、とうとう死にましたよ」腹心からそう言われて平田氏は少なからず驚いた。
平田氏は一代で財を成すために、随分人の恨みを買ってきた。それを気にする平田氏ではなかったが、半狂乱の辻堂老人のことだけはほとほと持て余しており、訃報を聞いて安堵したのは確かだった。
辻堂の葬式から四日目の朝、見慣れた筆跡の手紙が届いた。手紙は辻堂からで、「怨霊になってとり殺してやる」という内容だった。平田氏は一笑に付すが、何とも言えない不安に襲われて、眠れぬ日々を過ごすことになった。
そして、数か月後、平田氏の元にある会社の創立祝賀会での写真が届く。その写真には表面一杯に広がって辻堂らしき顔が大きく写っていたのだった……