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知っておきたい 日本の漢詩 第十二回 安らぎを求めて――夏目漱石

知っておきたい 日本の漢詩 第十二回 安らぎを求めて――夏目漱石

著者:宇野直人

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内容紹介

漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。

時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です。


このシリーズは日本の漢詩について、さまざまの立場で歴史の舞台に登場した人々にスポットをあて、その作品と人生を解説する、という方式で進めてまいります。

日本人の伝統詩歌としては、漢詩・短歌・俳句があげられるでしょう。この三形式のなかでは、親しまれた期間の長さにおいても、創作の歴史の長さにおいても、漢詩が抜きんでています。何しろ日本人は既に飛鳥時代、つまり七世紀後半ごろから、漢詩を「読む」だけではなく、「自分で作る」という段階に入っていました。以来、今日まで千三百年以上にわたり、漢詩は日本人の心を表す形式として親しまれているのです。

漢詩に表れた日本人の心、その特質は何かと言えば、それは「公と正義の感覚」ということになります。花鳥風月や、男女の心の機微は、漢詩では最も重要な関心事にはなりません。そうではなく、社会がどうあるべきか、それを目指す中で個人はどうふるまうべきかを模索し、その考察の結果やそれに伴うさまざまの感慨を表現する、それが漢詩の本道です。

このシリーズによって、そのような漢詩の魅力と奥深さを少しでもお伝えすることができれば幸いです。

第十二回 安らぎを求めて――夏目漱石
夏目漱石(1867~1916)は、もちろん、森鷗外とともに日本の近代文学を確立した大家ですが、漢詩人としても独自の個性を発揮し、大きな足跡をしるしています。
彼は小学校時代から漢詩文や中国美術を好み、漢学塾の二松学舎(にしょうがくしゃ=今日の二松学舎大学の前身)に学びましたが、帝国大学(東京帝国大学の前身)では英文学を修め、卒業後は松山や熊本で教壇に立ちました。34歳の時イギリスに留学し、帰国後、教職のかたわら創作への意欲を強め、30代の終わりから創作に専念、評論や講演も手がけました。
漢詩の作風から見ると、次の四期に分けることができます(和田利男『漱石漢詩研究』による)。第一期(洋行以前)=十代半ばから、イギリスに留学する34歳まで。第二期(修善寺大患の時期)=44歳の秋から四か月間。第三期(南画趣味の時期)=46歳から48歳のころまで。第四期(『明暗』執筆時)=『明暗』を執筆・連載中の50歳、生涯最後の年。

収録作品

無題

菜花黄 明治三十一年三月

無題 明治四十三年九月二十日

春日偶成十首 其七

春暁 孟浩然

無題 十一月十九日

シリーズ一覧

知っておきたい 日本の漢詩 第一回 儒臣の本懐――菅原道真
知っておきたい 日本の漢詩 第二回 五山の詩魂――富士山を詠む
知っておきたい 日本の漢詩 第三回 風狂の彼方に――一休宗純
知っておきたい 日本の漢詩 第四回 博学無比の人――林羅山
知っておきたい 日本の漢詩 第五回 儒教再審――荻生徂徠
知っておきたい 日本の漢詩 第六回 和漢交響――与謝蕪村
知っておきたい 日本の漢詩 第七回 やがて かなしき――狂詩の世界
知っておきたい 日本の漢詩 第八回 涙の手まり唄――良寛
知っておきたい 日本の漢詩 第九回 燃ゆる心を――頼山陽
知っておきたい 日本の漢詩 第十回 この道ひとすじに――広瀬淡窓
知っておきたい 日本の漢詩 第十一回 士族の誇り――西郷隆盛
知っておきたい 日本の漢詩 第十二回 安らぎを求めて――夏目漱石


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・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。