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漱石と国家意識
1972年10月3日 京都
再生時間:56分17秒
無料再生時間:
提供:岩波書店
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内容紹介
夏目漱石唯一の厭戦文学と言われることもある、『趣味の遺伝』という作品。若い主人公が新橋駅で日露戦争の兵士凱旋に遭遇、戦死した親友を思い出す。親友の家を訪ねて母親と会話し、さらに墓参りに行くと誰かは分からない美しい女性が親友の墓を訪れている――というあらすじ。漱石は、戦争という国家権力のぶつかりあいをどう観察したのか。
講演者紹介
大岡昇平
1909―1988年。作家。東京生まれ。京都帝国大学仏文科卒。帝国酸素、川崎重工業などに勤務。早くから小林秀雄に学び、中原中也らを知り、スタンダールに傾倒。1944(昭和19)年、召集されてフィリピンのミンドロ島に赴くが、翌年米軍の俘虜となり、レイテ島収容所に送られる。その体験を書いた『俘虜記』で第1回横光利一賞を受賞。『レイテ戦記』『野火』などの戦記文学や『武蔵野夫人』『花影』が代表作。
注釈
森田草平(もりた・そうへい)
1881―1949年。小説家、翻訳家。岐阜県生れ。本名は米松。1906年東大英文科卒業。一高在学中から創作に関心をもち、西欧とくにロシア文学に傾倒、また生田長江、馬場孤蝶、与謝野鉄幹・晶子らを知る。05年以降夏目漱石に師事し、漱石山房でひらかれる木曜会の中心的存在となり、さらに朝日新聞文芸欄の編集実務を担当、みずからも評論を寄せた。
大塚楠緒子(おおつか・くすおこ)
1875―1910年。小説家、歌人、詩人。本名久寿雄。別称楠緒、楠緒子。女子高等師範学校附属高女(お茶の水女子大附属高校)卒。佐々木弘綱に師事、和歌を学ぶ。明治後半の代表的な女性作家。
屠殺場
ここでは戦場を表現する言葉として使われている。現在では、食肉処理に携わる人への差別を助長する恐れがあるため用語としてあまり使われない。