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夏目漱石「門」(2)

夏目漱石「門」(2)

著者:夏目漱石

再生時間:3時間37分9秒

提供:パンローリング

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内容紹介

「彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ちすくんで日の暮れるのを待つべき不幸な人であった」

『門』は明治43年(1910年)に発表された夏目漱石の長編小説であり、『三四郎』『それから』に続く前期三部作の締めくくりとなる作品である。

『それから』のその後の展開であり、社会の片隅でひっそりと暮らす過去に傷を持つ夫婦の苦悩、悲哀がテーマとして描かれている。

平穏な日常を仲睦まじく淡々と重ねる夫婦の生活と、その奥に秘められた暗い過去の罪悪感と不安の日々。親友であった安井を裏切って、彼の内縁の妻であった御米を奪い結婚した宗助。「山の中にいる心を抱いて、都会に住んでいた」とあるように、彼らはその罪悪感ゆえ、社会から切り離された二人だけの世界にこもり続けていた。しかしある時、思いがけず知ることになったかつての親友、安井の消息に宗助の心は激しく乱れてしまう。恐怖、そして蘇ってくる重い罪の心。悩み苦しむ宗助は、心の動揺や不安から逃れたい一心で、妻の御米に内緒で禅寺の「門」をくぐる。しかしそこには解答も救済もなかった…。

過去の罪から逃れる術はあるのか? 救いはあるのか?希望も絶望もない、どうにもならない…。
それでも生きていかねばならない、生きていくことの痛みとは…?
静かに心に染みる味わい深い夏目漱石の名作です。

この『門』の連載終了後、漱石は胃潰瘍のため入院することになる。血を吐いて倒れ、生死の境をさまよう。いわゆる“修善寺の大患”である。

著者情報

夏目漱石(なつめ・そうせき)

日本の小説家、評論家、英文学者。森鴎外と並ぶ明治・大正時代の文豪である。1867年(慶応3)江戸牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)に生まれる。本名は夏目金之助。東京帝国大学英文科卒業後、東京高等師範学校、松山中学、熊本第五高等学校などの教師生活を経て、1900年、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学の講師を務める。1905年、処女作『吾輩は猫である』を発表。翌年『坊っちゃん』『草枕』を発表。1907年、教職を辞し、朝日新聞社に入社。以後、朝日新聞に『虞美人草』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『こころ』『道草』などを連載するが、1916年(大正5)12月9日、『明暗』の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳。

作品一覧

本作は分割収録となり、以下の項目にて1つの作品となっています。タイトル末尾のカッコ付きの数字が順序となります。各項目にはそれぞれのリンクから移動して再生して下さい。

夏目漱石「門」(1)
夏目漱石「門」(2)
夏目漱石「門」(3)


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