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知っておきたい 日本の漢詩 第十一回 士族の誇り――西郷隆盛

知っておきたい 日本の漢詩 第十一回 士族の誇り――西郷隆盛

著者:宇野直人

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内容紹介

漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。

時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です。


このシリーズは日本の漢詩について、さまざまの立場で歴史の舞台に登場した人々にスポットをあて、その作品と人生を解説する、という方式で進めてまいります。

日本人の伝統詩歌としては、漢詩・短歌・俳句があげられるでしょう。この三形式のなかでは、親しまれた期間の長さにおいても、創作の歴史の長さにおいても、漢詩が抜きんでています。何しろ日本人は既に飛鳥時代、つまり七世紀後半ごろから、漢詩を「読む」だけではなく、「自分で作る」という段階に入っていました。以来、今日まで千三百年以上にわたり、漢詩は日本人の心を表す形式として親しまれているのです。

漢詩に表れた日本人の心、その特質は何かと言えば、それは「公と正義の感覚」ということになります。花鳥風月や、男女の心の機微は、漢詩では最も重要な関心事にはなりません。そうではなく、社会がどうあるべきか、それを目指す中で個人はどうふるまうべきかを模索し、その考察の結果やそれに伴うさまざまの感慨を表現する、それが漢詩の本道です。

このシリーズによって、そのような漢詩の魅力と奥深さを少しでもお伝えすることができれば幸いです。

第十一回 士族の誇り――西郷隆盛
西郷隆盛(1827~1877)は明治維新前後、薩摩藩(鹿児島県)出身の政治家。「維新の三傑」の一人で、討幕勢力を統括して維新の原動力を形作るのに大きな功績をあげ、維新後は新政府の要職につきました。しかし征韓論の不調のため、新政府の職を辞して薩摩に帰り、「西南戦争」によって悲劇的な最期を迎えたのでした。
西郷隆盛が詩を作り始めたのは30代後半からと伝えられます。島津久光の怒りを買って沖永良部島(おきのえらぶじま)に流されたとき、やはり流罪となって送られて来た罪人の中に詩の巧みな人がおり、その人に教わって作詩を始めたとのことです。その詠みぶりは内省的なもので、自身の人生観や抱負を時に雄々しく、時に繊細に詠んでいます。また帰郷後の隆盛は、次の世代の教育に力を尽くし、そのかたわら温泉を訪れ、釣りに出かけ、愛犬と山歩きをする日々を送りましたが、その折々の様子を書きとめた詩もいろいろ残されています。それらの詩はいずれも、西郷隆盛という人の心境をたいへん率直に映し出しており、その人物像をいっそう深く理解するための恰好の資料となっているのです。

収録作品

沖永良部島謫居中作

題楠公図

感懐

失題

辞官作

温泉即景

シリーズ一覧

知っておきたい 日本の漢詩 第一回 儒臣の本懐――菅原道真
知っておきたい 日本の漢詩 第二回 五山の詩魂――富士山を詠む
知っておきたい 日本の漢詩 第三回 風狂の彼方に――一休宗純
知っておきたい 日本の漢詩 第四回 博学無比の人――林羅山
知っておきたい 日本の漢詩 第五回 儒教再審――荻生徂徠
知っておきたい 日本の漢詩 第六回 和漢交響――与謝蕪村
知っておきたい 日本の漢詩 第七回 やがて かなしき――狂詩の世界
知っておきたい 日本の漢詩 第八回 涙の手まり唄――良寛
知っておきたい 日本の漢詩 第九回 燃ゆる心を――頼山陽
知っておきたい 日本の漢詩 第十回 この道ひとすじに――広瀬淡窓
知っておきたい 日本の漢詩 第十一回 士族の誇り――西郷隆盛
知っておきたい 日本の漢詩 第十二回 安らぎを求めて――夏目漱石


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